口が痛い?よだれが出る?犬猫の腫瘍の可能性とは
「最近、愛犬・愛猫がよだれを垂らしている」「食事のときに痛がる様子がある」といった症状が見られる場合、口の中に何らかの問題があるかもしれません。その中でも、腫瘍(できもの)が原因となっているケースもあります。
今回は、犬や猫の口の中にできる腫瘍について、症状や対処法を詳しく解説します。
犬猫の口腔内腫瘍とは?
犬や猫の口の中には、さまざまな腫瘍が発生することがあります。腫瘍には良性と悪性があり、それぞれの特徴は以下の通りです。
良性腫瘍
- 急激な成長はしにくい
- 転移のリスクが低い
- 外科的に切除すれば治る可能性が高い
悪性腫瘍(がん)
- 進行が早く、大きくなりやすい
- 周囲の組織を破壊し、出血や壊死を引き起こす
- 転移する可能性が高い(特に肺やリンパ節)
特に、扁平上皮癌、悪性黒色腫(メラノーマ)、線維肉腫などは、犬や猫に多く見られる悪性の口腔内腫瘍です。
口腔内腫瘍の症状
口の中の腫瘍ができると、以下のような症状が現れることがあります。
1. よだれが増える
口の中の腫瘍が大きくなると、違和感や痛みを感じるため、よだれが増えることがあります。特に、
✅ よだれに血が混じっている ✅ よだれが粘ついている、悪臭がする
といった場合は、腫瘍が進行している可能性があります。
2. 食事の変化・食欲低下
口の中に痛みがあると、食事の際に違和感を覚え、
✅ 食べるスピードが遅くなる ✅ 片側だけで噛もうとする ✅ ドライフードを嫌がる ✅ 食欲が落ちる
といった変化が見られることがあります。
3. 口臭がひどくなる
口腔内腫瘍が進行すると、組織が壊死して腐敗し、強い口臭が発生することがあります。「最近、愛犬・愛猫の口臭がひどくなった」と感じたら、腫瘍の可能性も疑うべきです。
4. 顔や口周りの変形
腫瘍が大きくなると、口の外側からも膨らんで見えることがあります。また、
✅ 片側の頬が腫れている ✅ 鼻が曲がってきた(鼻腔に広がる場合) ✅ 顎の形が変わった
といった症状が現れることがあります。
5. くしゃみ・鼻水が増える
腫瘍が鼻の奥まで広がると、鼻詰まりやくしゃみ、血の混じった鼻水が出ることもあります。
口腔内腫瘍の原因
犬や猫の口腔内腫瘍の原因ははっきりとはわかっていませんが、以下の要因が関与している可能性があります。
✅ 遺伝的要因(特定の犬種・猫種に多い)
✅ 慢性的な炎症(歯周病や口内炎の影響)
✅ ウイルス感染(猫白血病ウイルスなど)
特に高齢になると発生率が高まるため、シニア期の犬猫は注意が必要です。
診断と治療方法
1. 診断方法
口腔内腫瘍の診断には、以下の方法が用いられます。
✅ 視診・触診:口の中を観察し、腫瘍の大きさや状態を確認する ✅ 細胞診・生検:腫瘍の一部を採取し、良性か悪性かを判断する ✅ X線・CT検査:骨への浸潤や転移の有無を調べる
2. 治療方法
口腔内腫瘍の治療は、腫瘍の種類や進行度によって異なります。
✅ 外科手術:腫瘍を切除する(特に良性腫瘍や早期の悪性腫瘍)
✅ 放射線治療:手術が難しい場合や、残った腫瘍を縮小させるために使用
✅ 抗がん剤治療:特定の悪性腫瘍に有効
✅ 緩和ケア:痛みを和らげ、生活の質(QOL)を維持する
自宅でできるケア
手術や積極的な治療が難しい場合でも、愛犬・愛猫が快適に過ごせるようにすることが大切です。
✅ 食事を工夫する:ウェットフードや流動食に変える
✅ 口腔ケアをする:獣医師の指導のもと、優しくケア
✅ 痛みの管理:鎮痛剤の使用を検討する
こんな症状があれば、すぐに動物病院へ!
✅ よだれに血が混じる
✅ 強い口臭がある
✅ 食べにくそうにしている
✅ 口や顎の形が変わってきた
✅ 鼻水やくしゃみが増えた
これらの症状が見られたら、できるだけ早く動物病院を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。
まとめ
犬や猫の口腔内腫瘍は、早期発見がとても重要です。
✅ よだれの増加や口臭、食欲低下は要注意!
✅ 早めに動物病院で診断を受ける
✅ 治療方法は腫瘍の種類や進行度によって異なる
「最近、よだれが増えた」「口の中に何かできものがあるかも?」と思ったら、お早めにご相談ください。
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