犬や猫の最後の肋骨にできもの?実は肋骨と腫瘍を間違えることも!
はじめに
愛犬や愛猫の体をなでていると、「あれ?ここにしこりのようなものがある?」と気づくことはありませんか?特に最後の肋骨付近に小さな突起やしこりのようなものを感じると、「腫瘍ではないか」と不安になる飼い主さんも多いでしょう。
しかし、実はその“できもの”と思ったものが、単なる「最後の肋骨」だったというケースも少なくありません。特に犬や猫の最後の肋骨は短く、浮いているように感じることがあるため、しこりや腫瘍と勘違いされることがあります。
本記事では、最後の肋骨と腫瘍の違い、腫瘍の可能性がある場合の見分け方、そして適切な対応について詳しく解説します。
1. 最後の肋骨と腫瘍の違いとは?
1.1 最後の肋骨の特徴
犬や猫の肋骨は胸部を保護するために存在しており、人間と同じく12〜13対あります。その中で、最後の1〜2対の肋骨(浮遊肋とも呼ばれます)は他の肋骨と違い、胸骨に接続されておらず、自由に動く構造をしています。
この最後の肋骨は、特に触ると小さな突起のように感じることがあり、痩せた子ではより顕著に目立つことがあります。そのため、触れたときに「腫瘍かもしれない」と勘違いしてしまうことがあるのです。
1.2 腫瘍やしこりの特徴
一方で、本当に腫瘍やしこりができている場合は、以下のような特徴が見られることがあります。
- 肋骨と一体ではなく、皮膚や筋肉の中にある
- 弾力があったり、硬かったりと質感が異なる
- 時間が経つと大きくなったり形が変化する
- 痛みを伴うことがある(特に炎症がある場合)
こうした特徴が見られる場合は、単なる肋骨ではなく、しこりや腫瘍である可能性があるため、早めの診察が必要です。
2. できものか肋骨か?簡単な見分け方
「これは肋骨?それとも腫瘍?」と迷ったときに、自宅でできる簡単なチェック方法を紹介します。
2.1 触って動くかどうかを確認する
肋骨であれば、軽く押すと骨の感触があり、周囲の組織と一緒に動くことがほとんどです。一方で、腫瘍やしこりは皮膚や筋肉に固定されているため、動きが少ない場合があります。
2.2 反対側も触ってみる
左右対称に同じ位置に同じような突起があるかを確認してみましょう。通常、最後の肋骨は両側に存在するため、片側だけにある場合は腫瘍の可能性を考える必要があります。
2.3 痛みや変化を確認する
腫瘍や炎症がある場合は、押すと痛がったり、赤みや腫れを伴うことがあります。また、時間とともに大きくなる傾向があるため、数週間様子を見て変化があるかどうかをチェックしましょう。
3. 腫瘍だった場合に考えられる病気
もし本当に腫瘍だった場合、以下のような病気が考えられます。
3.1 脂肪腫(良性腫瘍)
犬に特に多く見られる良性の腫瘍で、皮下脂肪が増殖することで発生します。柔らかく、比較的ゆっくり成長するのが特徴です。
3.2 骨肉腫(悪性腫瘍)
まれではありますが、骨や肋骨に発生する悪性腫瘍もあります。骨が腫れるように感じる場合や、急に大きくなった場合は注意が必要です。
3.3 繊維肉腫・肥満細胞腫
皮膚や皮下組織にできることが多い悪性腫瘍です。比較的硬く、触るとゴツゴツした感触があるのが特徴です。
4. いつ病院へ行くべき?
以下のような場合は、すぐに動物病院で診察を受けましょう。
✅ 短期間で大きくなっている
✅ 硬く、動かないしこりがある
✅ 痛がる、または触ると嫌がる
✅ 赤みや腫れがある
動物病院では、触診や超音波検査、場合によっては細胞診を行い、腫瘍の種類を特定します。
5. まとめ
愛犬や愛猫の最後の肋骨は短く、特に痩せた子では浮いているように見えるため、腫瘍と勘違いされることがよくあります。しかし、本当に腫瘍である可能性もゼロではありません。
🔹 最後の肋骨は左右対称にあり、押すと動くことが多い
🔹 腫瘍は時間とともに変化し、硬さや痛みを伴うことがある
🔹 疑わしい場合は早めに動物病院で診察を受けるのが安心
飼い主さんの早めの気づきが、愛犬や愛猫の健康を守る鍵となります。少しでも不安がある場合は、遠慮せず動物病院に相談してくださいね!
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レラ動物病院
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