犬や猫の脳腫瘍:症状・診断・治療について
愛犬や愛猫の行動に異変が見られたとき、飼い主としてはとても心配になるものです。特に、歩き方がおかしい、けいれんを起こす、視力が低下しているなどの症状がある場合、脳腫瘍の可能性も考えられます。本記事では、犬や猫の脳腫瘍について、原因や症状、診断方法、治療法を詳しく解説します。
犬や猫の脳腫瘍とは?
脳腫瘍とは、脳内にできる腫瘍のことを指し、良性と悪性のものがあります。脳は非常に重要な器官であるため、腫瘍ができると神経系に影響を及ぼし、さまざまな症状を引き起こします。
脳腫瘍には、以下のような種類があります。
- 髄膜腫(最も一般的で、比較的手術がしやすい)
- 神経膠腫(グリオーマ)(脳の神経細胞から発生)
- 下垂体腫瘍(ホルモン分泌に影響を及ぼす)
- 転移性腫瘍(他の部位のがんが脳に転移)
犬や猫の脳腫瘍の主な症状
脳腫瘍の症状は、腫瘍の場所や大きさによって異なります。以下のような症状が見られた場合は、早めに動物病院を受診することが重要です。
1. 行動の変化
- ぼんやりしていることが多い
- 反応が鈍くなる
- 攻撃的になる、または性格が変わる
2. 神経症状
- けいれん発作
- ふらつきや歩行障害
- 頭を傾けたままにする
3. 視覚・聴覚の異常
- 視力の低下や失明
- 片側だけ反応が鈍くなる
- 音に対する反応が鈍くなる
4. その他の症状
- 食欲不振
- 嘔吐
- 顔の片側が麻痺する
脳腫瘍の診断方法
脳腫瘍の確定診断には、以下のような検査が行われます。
1. 身体検査・神経学的検査
獣医師が神経の反応や行動の変化を確認します。
2. 画像診断
- MRI(磁気共鳴画像診断):脳の詳細な画像を撮影し、腫瘍の位置や大きさを確認する
- CTスキャン:MRIに比べて解像度は低いが、腫瘍の存在を確認するのに役立つ
3. 血液検査
腫瘍がホルモン分泌に影響を与えている場合、血液検査で異常が見つかることがあります。
脳腫瘍の治療方法
脳腫瘍の治療方法は、腫瘍の種類や進行度によって異なります。
1. 外科手術
手術が可能な場合は、腫瘍を摘出することで症状の改善が期待できます。特に髄膜腫などは手術で取り除くことが可能です。
2. 放射線治療
手術が難しい場合や腫瘍が完全に取り切れない場合、放射線治療を行うことで腫瘍の成長を抑えることができます。
3. 化学療法
悪性腫瘍や転移性腫瘍の場合、抗がん剤を使用することがありますが、脳の腫瘍には効果が限定的なこともあります。
4. 対症療法
けいれん発作を抑える抗けいれん薬や、腫瘍による炎症を軽減するステロイド剤を使用することがあります。
予防と日常ケア
脳腫瘍の明確な予防法はありませんが、以下の点に注意することで早期発見につながります。
1. 定期的な健康診断
シニア期に入ったら、定期的に健康診断を受け、神経症状がないか確認することが大切です。
2. 行動の変化に気を配る
普段と違う行動が見られた場合は、早めに獣医師に相談しましょう。
3. 生活環境の整備
ふらつきがある場合は、滑りにくい床材を使用し、ケガを防ぎましょう。
まとめ
犬や猫の脳腫瘍は、早期発見と適切な治療が重要です。けいれんや歩行障害などの症状が見られたら、すぐに動物病院を受診しましょう。
当院では、最新の診断機器を用いて脳腫瘍の診断・治療を行っております。愛犬や愛猫の健康に関するご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
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レラ動物病院
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