1か月前からあるしこり、本当に大丈夫?

1か月前からあるしこり、本当に大丈夫?

1か月前に愛犬や愛猫の体に「できもの」を見つけたけれど、ペット自身はまったく気にしていない……。そんなとき、「このまま様子を見てもいいのか」「そろそろ病院に行くべきなのか」と悩まれる方も多いのではないでしょうか。

今回は、ペットが気にしていない「できもの」が1か月経過した場合の考えられる原因や、受診のタイミングについて解説します。


体表にできる「できもの」の種類

ペットの体表にできる「できもの」は、さまざまな種類があります。代表的なものをいくつかご紹介します。

1. 皮膚の炎症や感染による腫れ

・虫刺されや細菌感染が原因で、一時的に腫れができることがあります。 ・通常は数日から1~2週間程度で自然に小さくなります。 ・1か月経っても変化がない場合は、別の原因が考えられます。

2. 良性腫瘍

・「脂肪腫」や「皮膚組織球腫」など、良性の腫瘍は痛みがなく、ゆっくり成長することが多いです。 ・1か月以上経っても大きさがほとんど変わらない場合は、良性の可能性が高いですが、経過観察が必要です。

3. 悪性腫瘍(がん)

・急激に大きくなる、表面がただれている、出血がある場合は注意が必要です。 ・触ると硬く、周囲の組織と癒着して動かない場合、悪性の可能性もあります。 ・1か月の間に少しでも大きくなった場合は、早めに診察を受けることをおすすめします。

4. 嚢胞(のうほう)

・皮脂や老廃物が詰まってできる袋状のしこりです。 ・痛みがなく、ペットが気にしていない場合は、経過観察を行うこともあります。 ・大きくなると破裂する可能性があるため、定期的にチェックしましょう。

5. 脂肪腫

・主に中年齢以上の犬に多くみられる、柔らかい脂肪の塊です。 ・基本的には無害で、ペットが気にしていなければ経過観察で問題ないことが多いです。 ・ただし、大きくなりすぎると手術が必要になることもあります。


病院に行くべきタイミング

ペットが気にしていない「できもの」でも、1か月以上経過した場合、以下のような変化があれば病院での診察をおすすめします。

大きさが少しでも変化しているか(特に大きくなっている)
表面に潰瘍や出血があるか
しこりが硬く、周囲の皮膚と癒着しているか
他の場所にも同じようなしこりができているか
できものの色が黒ずんでいる、または不自然な色をしているか

大きさが変わらない場合でも、気になる場合は一度診察を受けておくと安心です。


病院ではどんな検査をするの?

動物病院では、「できもの」の正体を確認するために、以下のような検査を行います。

視診・触診

しこりの大きさや硬さ、場所を確認します。

細胞診検査

細い針を刺して細胞を採取し、顕微鏡で確認します。

生検(病理検査)

組織の一部を採取し、詳しく調べます。

画像診断(X線・超音波検査)

内部の構造を確認し、しこりの広がりを調べます。

これらの検査を組み合わせることで、「できもの」が良性か悪性か、どのような治療が必要かを判断します。


まとめ

ペットが気にしていない「できもの」でも、1か月以上経過して変化がない、または少しずつ大きくなっている場合は、早めに動物病院で相談することをおすすめします。

愛犬や愛猫の健康を守るために、

できものの大きさや形の変化を定期的に確認する
1か月以上経過しても消えない場合は、病院で診てもらう

この2つを心がけましょう。

「様子を見るべきか、病院に行くべきか迷っている」という場合は、遠慮なくご相談ください。早期発見・早期治療が、ペットの健康を守るカギになります!

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