高齢犬の乳腺腫瘍、手術しなかった場合の対処法
高齢の愛犬に乳腺腫瘍が見つかったものの、「年齢的に手術は難しい」と判断し、様子を見ていたというケースは少なくありません。しかし、時間の経過とともに腫瘍が大きくなり、じゅくじゅくとした傷になって悪臭がするようになると、「このまま放置して大丈夫なのか」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
今回は、手術をしなかった乳腺腫瘍が悪化した場合の対処法について詳しく解説します。
乳腺腫瘍とは?
乳腺腫瘍は、犬の乳腺(おっぱいの部分)に発生する腫瘍で、特に避妊手術をしていないメス犬に多くみられます。良性のものと悪性のものがあり、
・良性腫瘍:比較的成長が遅く、転移しにくい ・悪性腫瘍(乳腺がん):急速に大きくなり、他の臓器に転移することもある
といった特徴があります。
手術で摘出すれば完治する可能性が高いのですが、高齢であったり、持病があったりする場合、「麻酔のリスクが高い」と判断され、手術を見送るケースもあります。
乳腺腫瘍が悪化するとどうなる?
手術をしなかった乳腺腫瘍は、時間とともに大きくなり、次のような問題が起こることがあります。
1. 腫瘍の表面がただれてじゅくじゅくする
腫瘍が大きくなると、皮膚が引っ張られたり、血流が悪くなったりして、表面が傷つきやすくなります。傷口が開いてじゅくじゅくし、出血や浸出液が出ることもあります。
2. 細菌感染を起こし、悪臭がする
傷ができると細菌が繁殖しやすくなり、感染を起こしてしまいます。その結果、
・悪臭がする ・黄色や緑色の膿が出る ・腫瘍の周りが赤く腫れる
といった症状が現れます。
3. 痛みが出てくる
初期の乳腺腫瘍は痛みを伴わないことが多いですが、腫瘍が大きくなって潰瘍化すると、痛みが出てくることがあります。痛みが強くなると、
・触られるのを嫌がる ・食欲が落ちる ・元気がなくなる
といった変化が見られることがあります。
治療や対処法は?
「高齢だから手術はできない」と判断された場合でも、悪化した腫瘍に対してできる対処法はあります。
1. 抗生物質や消炎剤の使用
感染が起こっている場合、抗生物質で細菌の増殖を抑えることができます。また、炎症が強い場合は消炎剤を使用することで腫れや痛みを和らげることができます。
2. 消毒・傷のケア
傷口の清潔を保つことが重要です。動物病院で処方された消毒薬や軟膏を使用し、こまめにケアをすることで感染の悪化を防ぎます。
3. 鎮痛剤の使用
痛みが強い場合は、鎮痛剤を使用することで生活の質(QOL)を向上させることができます。
4. 緩和ケア
病院での処置に加え、自宅でできるケアとして以下のようなことを意識しましょう。
・患部を舐めないようにエリザベスカラーや服を着せる ・柔らかい寝床を用意し、負担を減らす ・栄養価の高い食事を与えて体力を維持する
病院に相談すべきタイミング
以下のような症状が見られたら、すぐに動物病院に相談することをおすすめします。
✅ 腫瘍の表面が大きく崩れ、出血や膿がひどい
✅ ひどい悪臭がする
✅ 触ると痛がる、元気がなくなってきた
✅ 食欲が低下してきた
✅ ほかの場所にも腫瘍ができている
手術ができない場合でも、適切なケアや治療を行うことで、愛犬が快適に過ごせる時間を長くすることができます。
まとめ
高齢犬の乳腺腫瘍は、手術をしない場合でも定期的なケアが必要になります。
✅ 腫瘍の変化をこまめに観察する
✅ 悪臭や出血がある場合は病院に相談する
✅ 鎮痛剤や抗生物質などで緩和ケアを行う
「手術をしなかったけれど、このままでいいのか?」と不安を感じたら、お気軽にご相談ください。愛犬ができるだけ快適に過ごせるよう、一緒に最適な方法を考えていきましょう。
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