犬の腫瘍と発作の関係について

犬の腫瘍と発作の関係について

最近、愛犬が発作を起こすようになったと感じていませんか?発作の原因にはさまざまなものがありますが、その中には「腫瘍」が関係しているケースもあります。特に高齢の犬では、腫瘍の影響で神経症状が出ることがあり、発作が増えることも少なくありません。

この記事では、腫瘍と発作の関係、考えられる病気、診断や治療の方法について詳しく解説します。


犬の発作とは?

発作とは、脳や神経の異常な活動によって引き起こされる症状のことを指します。発作には次のようなタイプがあります。

1. 全身性発作(てんかん発作)

意識を失い、けいれんを起こすタイプの発作です。口から泡を吹いたり、足をバタバタさせたりすることがあります。

2. 部分発作(焦点性発作)

体の一部分だけがピクピクと動く発作です。軽い意識障害を伴うことがあります。

3. 行動異常型発作

突然興奮したり、意味のない行動を繰り返したりする発作です。

発作の原因はさまざまですが、腫瘍が影響している場合もあります。


腫瘍が発作を引き起こす理由

犬の発作の原因として、腫瘍が関係することがあります。主な理由としては以下が挙げられます。

1. 脳腫瘍

脳に腫瘍ができると、脳の正常な働きが妨げられ、発作が起こりやすくなります。脳腫瘍は、高齢犬に多く見られる病気のひとつです。

2. 内臓の腫瘍による影響

肝臓や腎臓に腫瘍ができると、体内の代謝が乱れ、脳に影響を及ぼすことがあります。特に、肝臓の腫瘍によってアンモニアが蓄積すると、脳に障害が出て発作が引き起こされることがあります。

3. 腫瘍による血流障害

腫瘍が血管を圧迫すると、脳への血流が悪くなり、発作を引き起こすことがあります。


発作を伴う腫瘍の種類

発作が見られる犬に多い腫瘍の種類には、以下のようなものがあります。

1. 脳腫瘍

・グリオーマ(神経膠腫) ・髄膜腫 ・下垂体腺腫

2. 内臓の腫瘍

・肝臓腫瘍(肝臓がん、肝芽腫など) ・腎臓腫瘍 ・副腎腫瘍(ホルモンバランスの異常による発作)

3. 血液の腫瘍

・リンパ腫(血液のがん)

これらの腫瘍は、直接的または間接的に発作を引き起こす可能性があります。


診断と治療方法

犬の発作が続く場合、原因を特定するために適切な検査が必要です。

1. 診断方法

血液検査:肝臓や腎臓の機能を調べる ✅ X線・超音波検査:内臓の腫瘍の有無を確認 ✅ MRI・CT検査:脳腫瘍の有無を詳しく検査

2. 治療方法

腫瘍の種類や状態によって治療法は異なります。

外科手術:摘出可能な腫瘍の場合、手術が有効 ✅ 放射線治療:脳腫瘍など手術が難しい場合に使用 ✅ 化学療法(抗がん剤):リンパ腫などに適応 ✅ 対症療法(発作のコントロール):抗てんかん薬の使用

発作を抑えるために、鎮静剤や抗てんかん薬を使用することもあります。


家庭でできるケア

発作が起こる犬には、日常的なケアが大切です。

発作時の対応 ・無理に押さえつけない ・周囲の障害物を取り除く ・発作が収まるまで静かに見守る

食事管理 ・栄養バランスの良い食事を与える ・肝臓や腎臓に配慮した食事療法

定期的な健康チェック ・動物病院での定期的な診察 ・発作の頻度や症状を記録する


こんなときはすぐに病院へ!

次のような症状が見られたら、すぐに動物病院に相談してください。

発作が5分以上続く1日に何度も発作を起こす発作後に意識が戻らない歩行が困難になる、麻痺がある

早期の診断と適切な治療で、発作の回数を減らし、愛犬の生活の質を向上させることができます。


まとめ

最近発作が増えた場合、腫瘍が関係している可能性があります。

脳腫瘍、内臓腫瘍、血液の腫瘍が発作の原因となることがある発作が頻繁に起こる場合は早めに検査を受ける適切な治療やケアで症状を和らげることが可能

「年齢のせい」と思わずに、気になる症状があれば早めに動物病院で相談しましょう。愛犬が少しでも快適に過ごせるよう、最適な治療を一緒に考えていきます。

-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
レラ動物病院
〒001-0907
北海道札幌市北区新琴似7条9丁目5−8
011-769-2500
セカンドオピニオンの方は事前に連絡ください。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-