犬猫の皮膚に赤い小さいできものが…ニキビ?それとも腫瘍?

犬猫の皮膚に赤い小さいできものが…ニキビ?それとも腫瘍?

はじめに

愛犬や愛猫の皮膚に「赤くて小さいできもの」を見つけたことはありませんか?見た目がニキビのようで、痒みを伴うこともあります。しかし、このできものは単なる皮膚トラブルなのか、それとも腫瘍などの病気なのかを見極めることが大切です。

この記事では、犬猫の皮膚に赤いできものができる原因や、適切な対処法について詳しく解説します。


1. 赤い小さいできものの主な原因とは?

赤いできものができる原因はさまざまですが、大きく分けると以下のようなものがあります。

1.1 皮膚炎(アレルギーや刺激による炎症)

犬猫の皮膚はとても敏感で、アレルギーや刺激によって炎症を起こしやすいです。特に以下の要因が関係することがあります。

  • 食物アレルギー(特定のフード成分が原因)
  • 環境アレルギー(花粉、ホコリ、カビなど)
  • ノミやダニの寄生(ノミアレルギー性皮膚炎)
  • シャンプーや化学物質の刺激

皮膚が赤くなり、小さな発疹ができることが特徴です。痒みがある場合、犬や猫が頻繁に掻いたり舐めたりしてしまい、悪化することがあります。


1.2 犬猫の「ニキビ」(猫ざそう・犬ざそう)

犬猫にも人間のような「ニキビ」ができます。特に以下の部位に発生しやすいです。

  • あごの下(猫ニキビ)
  • 口周り、耳の近く
  • お腹や足の付け根

皮脂の分泌が多い犬種・猫種では、皮脂が毛穴につまり、ニキビのようなできものができます。放置すると細菌感染を引き起こし、赤みや腫れがひどくなることがあります。


1.3 良性の腫瘍(肥満細胞腫や皮膚組織球腫)

赤く小さいできものの中には、腫瘍(できもの)である可能性もあります。特に注意すべきものは以下の2つです。

① 皮膚組織球腫(良性腫瘍)

  • 若い犬(特に1~3歳)に多く発生
  • 小さな赤いできものとして現れる
  • 自然に消えることが多いが、稀に手術が必要

② 肥満細胞腫(悪性の可能性あり)

  • どの年齢でも発生する可能性あり
  • できものが大きくなったり、形が変わったりすることがある
  • 早期診断が重要

腫瘍の場合は見た目だけでは判断が難しいため、動物病院での検査が必要です。


2. どんな症状が出たら動物病院へ行くべき?

次のような症状が見られる場合は、早めに動物病院を受診することをおすすめします。

できものが大きくなってきた
出血や膿が出ている
犬や猫が頻繁に掻いたり舐めたりしている
痛がる・触ると嫌がる
他の場所にも増えてきた

単なる皮膚トラブルなのか、腫瘍なのかを見極めるために、獣医師の診断を受けましょう。


3. 動物病院での診断方法

動物病院では、以下のような診断を行います。

3.1 視診と触診

まずは、できものの大きさや形、硬さなどを確認します。

3.2 細胞診(針生検)

針を使ってできものの細胞を採取し、腫瘍か炎症かを判断します。

3.3 アレルギー検査

皮膚炎が疑われる場合、アレルギー検査を行うこともあります。


4. 赤いできものの治療法

診断結果に応じて、以下のような治療が行われます。

4.1 皮膚炎・アレルギーの場合

  • 抗ヒスタミン薬やステロイドの処方(痒みを抑える)
  • 低アレルギー食の導入(食物アレルギー対策)
  • ノミ・ダニ予防薬の投与

4.2 ニキビの場合(猫ざそう・犬ざそう)

  • 皮膚を清潔に保つ(専用シャンプーや洗浄剤)
  • 悪化した場合は抗生物質や抗炎症薬の処方

4.3 腫瘍の場合

  • 良性腫瘍は経過観察または手術で摘出
  • 悪性腫瘍の場合は手術+追加治療(放射線・抗がん剤)

早期発見・早期治療が、犬猫の健康を守るカギとなります。


5. 飼い主ができる予防とケア

飼い主が日頃から気をつけることで、皮膚トラブルを予防できます。

5.1 皮膚を清潔に保つ

  • 定期的にシャンプーをして清潔にする
  • あごや口周りの汚れを拭き取る

5.2 食事管理をする

  • 良質なフードを与える(脂質の少ないもの)
  • アレルギー対策フードを試す

5.3 こまめな健康チェックをする

  • 皮膚に赤いできものがないか定期的に確認
  • 触ると嫌がる部分がないかチェック

おわりに

犬猫の皮膚にできる「赤い小さいできもの」は、一見ニキビのように見えても、炎症や腫瘍の可能性があります。

「ただの皮膚トラブル」と思って放置せず、早めに動物病院で診察を受けることで、愛犬・愛猫の健康を守ることができます。

日々のケアとこまめなチェックを心がけ、少しでも異変を感じたら獣医師に相談しましょう!

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