犬猫の後ろ足の横にボコボコした腫れが!骨に関する問題?それとも腫瘍?

犬猫の後ろ足の横にボコボコした腫れが!骨に関する問題?それとも腫瘍?

はじめに

愛犬や愛猫の後ろ足に「ボコボコした腫れ」や「しこり」を見つけた場合、飼い主としてはすぐにその原因が気になります。特に後ろ足の横に硬い塊ができている場合、それが骨の異常なのか、それとも腫瘍が関係しているのか、どちらの可能性が高いのでしょうか?

この記事では、犬や猫の後ろ足にボコボコとした腫れが現れる原因として、骨の問題や腫瘍について詳しく解説し、飼い主さんがどう対応すべきかについてご紹介します。


1. 犬猫の後ろ足の横にボコボコした腫れが現れる原因とは?

後ろ足の横に現れるボコボコした腫れやしこりには、いくつかの原因が考えられます。以下の項目は代表的なものです。

1.1 骨に関する異常

後ろ足にできたボコボコした腫れが骨に関連している場合、骨折や骨の腫瘍、炎症が考えられます。これらの異常は、外部からの衝撃や負荷、あるいは年齢や遺伝的要因が原因となることがあります。

骨折

犬や猫が活発に動き回っている場合、特に骨が細く弱い若い犬や高齢の犬では、骨折を引き起こすことがあります。骨折した部分が腫れやボコボコ感として現れることがあります。

骨腫瘍

犬に多い骨の腫瘍には「骨肉腫(こつにくしゅ)」という悪性腫瘍があります。骨肉腫は、足の骨に痛みや腫れを引き起こし、しこりとして触れることがあります。特に後ろ足に発生することが多く、進行が早いため注意が必要です。

1.2 脂肪腫(リポーマ)

後ろ足にボコボコした腫れが現れた場合、脂肪腫が原因であることもあります。脂肪腫は良性の腫瘍で、皮膚の下にできることが多いですが、足の筋肉や皮膚にできることもあります。これらは通常、硬さがなく、柔らかく感じられることが特徴です。

1.3 筋肉や軟部組織の腫瘍

後ろ足の横にボコボコした腫れがある場合、筋肉や軟部組織の腫瘍も考えられます。軟部組織にできる腫瘍は、悪性のものもあれば良性のものもあります。これらは見た目には骨と違って柔らかい感じがあり、しこりとして触れることがあります。

1.4 関節の病気(関節炎、滑液包炎など)

関節部分にボコボコした腫れができている場合、関節炎や滑液包炎が原因のことがあります。これらは骨自体の問題ではなく、関節を囲む組織や液体に異常が生じていることを示唆します。


2. 診断方法:腫れの原因を突き止めるために

後ろ足の腫れが気になった場合、早期に診察を受けることが大切です。以下は、診断を行うために必要な検査です。

2.1 視診と触診

最初に獣医師が行うのは視診と触診です。腫れの大きさ、形状、硬さなどを確認し、腫瘍が骨に関連しているのか、筋肉や脂肪組織に関連しているのかを調べます。

2.2 X線(レントゲン)検査

骨に関連する問題、例えば骨折や骨肉腫が疑われる場合、X線検査を行って骨の状態を確認します。X線検査では骨の異常や腫瘍の有無をチェックすることができます。

2.3 超音波検査

筋肉や軟部組織の腫瘍が疑われる場合、超音波検査を行うことがあります。超音波検査では、腫れが軟部組織に由来しているのか、また腫瘍が良性か悪性かを調べるための手がかりになります。

2.4 細胞診や生検

場合によっては、腫れた部分から細胞を採取して顕微鏡で調べる「細胞診」や、より詳細な検査を行うために「生検(組織検査)」を実施することがあります。これにより、腫瘍が良性か悪性か、または炎症や感染症が関与しているかを判断します。


3. 治療方法:後ろ足の腫れに対する対応

診断が確定した後、治療方法は原因によって異なります。以下は一般的な治療方法です。

3.1 骨腫瘍の場合

骨肉腫などの悪性腫瘍が発見された場合、手術で腫瘍を切除することが一般的な治療方法です。進行具合によっては、化学療法や放射線治療が行われることもあります。

3.2 良性の腫瘍(脂肪腫や筋肉腫)

良性の腫瘍が発見された場合、腫瘍の大きさや発生位置に応じて手術で切除することが推奨されます。良性であれば、手術後に再発するリスクは低いことが多いです。

3.3 骨折や関節の問題

骨折の場合、手術で骨を固定したり、安静を保つための治療が行われます。関節の病気では、抗炎症薬や鎮痛剤が使用されることがあります。

3.4 経過観察と定期検査

良性腫瘍や骨の異常が軽度の場合、手術後の経過観察や定期的な検査を受けることが勧められることがあります。腫瘍の再発や新たな異常が見られないかを確認することが重要です。


4. 飼い主としてできること

愛犬や愛猫が後ろ足に腫れを感じた場合、飼い主としてできることは以下の通りです。

  • 異常を早期に発見し、動物病院で診察を受ける
  • 腫れが大きくなったり、痛みを伴う場合は早急に受診
  • 安静を保ち、患部を刺激しないようにする
  • 定期的な健康診断で早期発見を心がける

おわりに

犬や猫の後ろ足の横に現れるボコボコした腫れには、さまざまな原因が考えられます。骨の異常、腫瘍、筋肉の問題など、症状によって治療方法も異なります。飼い主としては、早期に異常を感じたら動物病院で診察を受け、適切な治療を行うことが大切です。

愛犬や愛猫の健康を守るために、少しでも早く異常に気づき、適切な対応を取るよう心掛けましょう。

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